無人 キャッシング

むじんくん=無人契約機の代名詞

誰にも見られずにお金を借りられる消費者金融の無人契約機が、今では当たり前の設備となっていますが、その元祖は消費者金融会社大手のアコムが93年7月に初めて導入したシステムで、「むじんくん」の名称で広く知られるようになったものです。

 

「むじんくん」とは、その名のとおり、無人のブースで無担保ローン契約ができることをもじっていますが、その意外な仕掛けと奇抜な名前でたちまち若者の心をとらえました。

 

最初は、新宿、博多の2カ所に開設され、96年3月末には全国で350カ所まで増えて首都圏だけでなく全国の主要都市でもほぼ利用できるようになりました。

 

ただ、この「むじんくん」、誰にも会わずにお金が借りられるといっても、直接機械からお金が出てくるわけではありません。あくまで利用者が「お金を借りる資格があるかどうか」の審査をして契約を結ぶための機械です。その審査にパスするとキャッシング用カードが発券され、その後で併設のATMからお金を借り出すことができる仕組みになっています。

 

3坪ほどの部屋にパソコン、スキャナー、カード発券機が置かれ、利用者がパソコンの前に座って一人で操作して審査を受ける。実は無人といっても、少し離れた営業店舗から店員がブース内に設置されたビデオカメラを通して監視している仕組みです。無人契約機のブースと営業店はネット回線で結ばれ、パソコンの上に据えつけられたビデオカメラの映像を店に送っており、店員はカメラ越しに利用者の様子を見ながら質問をしたり、手間取った場合にアドバイスをします。

 

利用者の前にはモニター画面があっても、それには店員の顔は映らない。代わりに「あなたの職業は」「持ち家か賃貸か」「他社の借り入れは何社」といった文字が次々と出てきて、それを指で押さえると次に進めるタッチパネル方式です。

 

しかし、ドアにはカギもかかり、プライバシーも守られるので、こちらの個人情報を他人に知られる恐れはない。まるで一人きりで、パソコンと遊んでいる感覚で審査を終えることができるので、気軽に利用できるとここまで普及したのです。

 

アコムは設置当初、初めての機械なので反応の予想もつかず、1年間は放っておいたそうです。恐らくアコム自身も、ここまで人気になるとは考えていなかったと思われます。

 

しかし調査をしてみると、有人店で月に40件の契約者しかないものが、「むじんくん」では100件と2倍以上の実績がありました。夕刊等の報道で【何をするところか】が知られるとすぐに順番待ちの列ができたほどです。そのためアコムは設置台数を急速に増やす方針に切り換え、95年3月末で36台だったものを96年3月末には10倍近い350台まで増やしました。

 

また、「むじんくん」の好調に刺激された同業他社もすぐに追随し、プロミス「いらっしゃいまし〜ん」、アイフル「お自動さん」、三洋信販「ポケットパンク」、レイク「¥むすび」などが相次いで稼働する状況になりました。

 

各社とも100台、200台単位での導入を図り、96年3月末までの設置台数を合計すると全国ではすでに1000台以上の無人契約機が稼働しました。

 

「お金を借りるのは誰にも会わず」が常識として定着したきっかけとなりました。また、わずか1年でこれほど大きく業態を変えた機械は珍しく、営業から与信の方法まで全く一新したきっかけを作ったアコムの先見の明は素晴らしいといえます。今や消費者金融業界は、無人契約機なしでは夜も日も明けないという状況になりました。

 

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